カムイチェプ 神の魚それは「鮭」 8年連続鮭水揚げ日本一「知床」

010知床産の鮭は8月明けになると採れ始めます。多分日本一河川の数が多い知床で千島火山帯の山のミネラルが川をつたって海に流れ出し、その森のミネラルの臭覚につられて母なる川で産卵の為に遡上するのではないかとされています。その習性をみて魚網を通り道にかけます。 鮭はその習性から「回帰魚」と呼ばれよく贈答品に使用され遠く離れた先様にまた当時のことを思い出してもらいながら鮭を食べてもらうという昔ながらの習慣だそうです。
知床の鮭は栄養豊富な海域で育っているため肉厚で身がしまっており、またたびたびその漁獲量が日本一になるくらい鮭のメッカなのです。
鮭がアイヌ語でカムイチェプ(神の魚)といわれる理由は、いろいろな理由があり冬場の貴重な栄養源・保存食として、また当時の生活文化の中に鮭の皮などが靴などの物資に転用されていたことも上げられます。
昔の人たちにとって鮭はかけがえのないものだったのでしょう。
ここで多様な料理をご紹介いたします。
顔の先っぽは「氷頭」ひずと呼ばれる酢の物で食べます。酢につけることによってこりこり感がやわらかくなって食べやすくなります。鍋物に入れるときは目、尻尾、中骨などの部分を使用いたします。とくに冬場は味噌味と魚のエキスがあいなって冷えた身体を温めてくれます。また中骨は蒸し焼きをしてほぐし身としておにぎりや酒の肴としても楽しめます。
背中のほうは柵取りして刺身用で一度冷凍いたします。「ルイベ刺身」という表現はアイヌ語で「ル=溶ける」「イベ=食べ物」つまり一度冷凍したものを半解凍で刺身で食べることをさします。鮭は冷凍することによって殺菌効果にもなります。またハラスの部分は塩をふって数時間おいて塩を浸透させてから焼き魚として食べることをお奨めいたします。
また、輪切りのバターステーキ、ムニエル、天麩羅、中華料理などにも使われ素材の良さを表現できる素晴らしい食べ物です。
現在私どもで行っている鮭の加工はオスの大型鮭めじか「こんもり背中が丸く、脂がのっているため銀のうろこが剥がれ落ちて黒光りしています。当然のごとくこんもりしている分だけ目が近くなっていて、尻尾も太いのが特徴です。」を低温熟成塩仕込み「知床伝承手返し」という製法で作っております。
知床産でかつ半島よりの大型のめじかの「オス」を塩蔵して切身などの加工をし真空包装かけもので、一度だけしか急速冷凍をかけておりません。すべて自分の手で1尾、1尾確認しながら製品づくりをしております。浜から直接指定した大きさの雄めじか鮭を買ってからが私たちの仕事で、内臓をとって表面と中腹に塩を均等にあてて一度目の塩蔵をいたします。その後きれいに水洗いで流して今度は新しい塩を尻尾から頭にかけてすりこんでいきます。うろこがとれるぐらいすりこみます。その後重しをかけて低温保存いたします。また再度同じ工程を繰り返してから切身加工処理して真空包装をかけます。
この工程を「知床伝承手返し」と評し他の鮭と区分けをいたしました。
これらの過程で鮭本来の味が水分を減らすことで引出され、また凝縮された味わいは鮭の脂ののった味となり焼き上がりの深みとなって表現されます。加工場の鮭は「箱切り」という塩の漬け方で鮭をさばいてすぐに塩をあてて急速冷凍をかけますので同じ重さの製品でも生の鮭そのものに私どもの鮭とは大きさが20%も違いがでてくるのです。

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