知床工房酒辞典

「21世紀の酒の姿」

銘酒の四方山話

「21世紀の酒の姿」
人の技とは何か、技術の進歩とは何か、それを問い掛けてみると時間の経過とともに文化の集積であったはずです。それが機械化の目まぐるしい進歩のもと清酒そのものの性格を画一化する方向に巨大な作用を与えました。それは清酒そのものが文明の酒に脱皮した瞬間でした。昭和35年、清酒製造の免許場数は4600場を数えるほどでした。その後、量的拡大したにもかかわらず2500場以上も減少いたしました。つまり地方の手造りの酒屋が淘汰され、地方文化が衰退したことを意味しております。技術と情報の進歩が産地の異なる多様性を否定し、醸造技術の画一化、酒質の均一化を促したあと、装置化された清酒はやがてシェア争いのもと低価格競争に走り、品質の劣化を招き、やがて次世代の若者達の清酒離れに拍車をかけてしまいました。低価格であるということは「おいしさ」に目をつぶるということです。おいしくなければいずれ飲み手は清酒から離れていくでしょう。そして工業化が進めば進むほど感銘の深さを通じる「おいしさ」の復権は遠のいていきます。われわれは酒の道しるべとして「水よりも旨い酒」もしくは「酒としてより感銘の深い酒」この2つの価値観を大切にいきたいと思います。

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