知床工房酒辞典

「人酒を飲み 酒人を飲み 酒酒を飲む」

銘酒の四方山話

「人酒を飲み 酒人を飲み 酒酒を飲む」
日本の日本酒、中国老酒、イギリスのウイスキー、ドイツのビール、フランスのワイン、ロシアのウオッカ、オランダのジン、メキシコのテキーラ、世界の国々に特産される酒類は、その国独自のものであり、民族意識のひとつとして、それぞれの国の国民は自国の酒に無限の誇りと憧れをもって接してきました。また、民族特有の酒をもつという事は、その民族の歴史の古さと優れた酒文化を持つ事に通じるものであり、各国の酒にはそれぞれに民族文化の匂いが濃く感じられます。酒は「百薬の長」という一方、「万病のもと」ともいわれ、「天の美禄」と称えれば、「狂い水」とけなされます。果たして酒はよいものか、悪いものか、迷ってしまいます。でも本当に悪いものであったら、人間社会にこれほどまで永年にわたって親しまれ、さまざまな文化を創造してくれるはずがありません。日本人は、米の酒・日本酒をその誕生から今日まで、かけがえのない嗜好物として愛し続けてきました。しかしながら、多くの人達は、この素晴らしい日本酒について、その生い立ちやどのように造られるかなど、あまり理解していないのも事実です。酒の心とその本体を知る事なく、単に生理的な酔いの快楽を求めるに過ぎないのであれば、これほど侘びしい事はありません。ですから、先達は「人酒を飲み、酒人を飲み酒酒を飲む」などといった皮肉的な名言を残していったのかもしれません。健康的で楽しい酒飲みになるためには、酒そのものを知ることもまた大切な事なのです。これは酒を知ることにより、酒の心を理解する事に通じ、そこからの酒の正体を知れば、おのずと酒の素晴らしさを賞賛でき、同時に酒の恐ろしさについても警戒する事が出来るからです。

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