知床工房酒辞典

「夏の冷酒と日本人の粋さ」

銘酒の四方山話

「夏の冷酒と日本人の粋さ」
日本酒を飲む人って風流がわかる人だと、あえて思いを強くする時があります。
秋は月見で一杯、冬は雪見酒で一杯、春はもちろん花見酒といきたいものです。
それでは夏はというと、「曲水の宴」といってゆるやかな流れの川の左右に座って、
酒の入ったさかづきが自分の前に流れてくるまで、一句を詠み、そして飲むというものです。
しかしながら、夏の夜長に涼を楽しんで飲んだはずのお酒が、酒に飲まれて、気がついたら、
しらじらと陽があけていたという経験をされた方も数多くいらっしゃるのではないかと思います。
まさに「山頭火」の心境ではないでしょうか。
結局 四季の変化にこじつけて1年中お酒を飲んでいるわけではありますが・・・・・

それはさておいても、四季折々の自然にふれながら酒を飲む、
奈良平安の時代から伝統的な味わいだから風流で酒が合うのでしょう。
また、お酒はさまざまな日本文学の中に描かれております。
吉田兼好は「徒然草」の中で「月の夜、雪のあした、花の本にても、心のどかに物語して杯出したる、
萬の興をそふるわざなり。つれづれなる日、思ひの外に友の入りきて、とりおこなひたるも心なぐさむ」
冬せばき所にて、火に物いりなどして、隔てなきどちさしむかえひて多く飲みたる、いとおかし。」
と酒へのあこがれを美しく現しています。
清少納言も紫式部も、「枕草子」や「式部日記」で、お酒をひんぱんに登場させます。
酒をこよなく愛した若山牧水は、その代表作とも言うべき、「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は
しずかに飲むべかりけり」といかにも日本人らしく、情緒的な酒の飲み方ではありませんか。
日本酒の伝統を守り続けてきた蔵元に乾杯。

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